食品ロス削減進める 留学生へ寄付、地域に貢献
大賞 アクシアルリテイリング(長岡市)グループ 原信(長岡市)・ナルス(上越市)
アクシアルリテイリング(長岡市)グループの原信(同市)、ナルス(上越市)の両社は、食品ロス削減や地域貢献、人材育成などに力を入れている。これらの活動をSDGsの17ゴール全てに関連付けた。長年にわたり培ったノウハウは企業風土として着実に根付いている。
食品ロスを減らすため、賞味期限の3分の1の期間内に納品するという従来の慣例を見直した。賞味期限が180日以上ある菓子やレトルト食品などの納品期限を2分の1に短縮。仕入れ段階でロスが出ないよう工夫した。
また、各店舗の商品の動きを把握し、不足する店舗に商品を効率的に回すことで無駄を省く。これらの取り組みにより食品ロス率は0・33%(2019年度)と年々低下しており、成果を上げている。
一方で食を通した地域貢献も地元スーパーならではの特徴だ。生活困窮者に食料を支援するNPO法人フードバンクにいがたの活動に参加するほか、原信の原和彦社長が理事長を務める長岡市国際交流協会では、同社の寄付を原資に、市内の留学生に食品などを贈った。原信の労働組合では「フードドライブ」に加わり、ひとり親世帯などに食品を寄付した。
また、人材教育の尊さを説いた「米百俵」の精神を受け継ぎ、「人づくり」も重視している。「原信サマースカラシップ」では、長岡市と姉妹都市の米フォートワース市の高校生が毎年、相互にホームステイしている。2019年度は日米の高校生16人が参加し、文化の違いを体験した。
原信ナルスオペレーションサービスの兒玉誠・環境CSR室長(45)は、「当社の取り組みとSDGsの理念は目指す方向が一致している。世界、日本、新潟の課題を把握した上、その解決のため事業活動を推し進めていきたい」と話している。
<インデックス>
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