清流、花火…郷土の魅力を形に
大賞 荒川中学校3年生×あらかわ地区まちづくり協議会(村上市)
村上市の荒川中学校3年生と地元団体「あらかわ地区まちづくり協議会」は共働し、地元の食材を使った加工食品や商品を開発・販売した。生徒は地域貢献活動を進めることで、地元の魅力を再発見。郷土愛を育むことにつながり、持続可能な地域の未来実現に向けた一歩を踏み出した格好だ。
中学生が生み出した商品は多彩だ。地元企業と協力してエコバッグ約50枚を作り販売した。描いた図柄はサケと花火。荒川をさかのぼる名物のサケと、市内唯一の花火大会が地元で開かれていることから思いついた。
同地区はまた、ラベンダーの栽培も盛んなことから、花の穂先を入れたしおりや、サシェ(香り袋)、ミストを地元の団体と協力して制作。一部をイベントなどで販売。こうした取り組みはSNSを通じて発信し、地域の魅力を広くPRした。
ほかにも地元飲食店とコラボした弁当、総菜、スイーツなども考案。さまざまな活動で得た売上金の一部は、同市の新型コロナウイルス対策向けの基金に寄付した。
活動は昨年5月から、総合学習の一環として始めた。地域住民を招き、地域の実情を聞き、SDGsを踏まえた地域活性化策を、18班に分かれた生徒が考えた。商品開発やそれを宣伝するためのキャッチコピー、ポスターやマスコットキャラクターの制作といった企画書をまとめた。こうした取り組みに市内12の企業や団体などが協力。生徒のアイデアを形にするため料理を共同開発したり、技術提供もしたりした。
荒川中学校3年の一ノ瀬唯斗さん(15)は「大人になって地元に戻る時には、故郷が今よりもさらに良い地域にするために、学んだことを生かしたい」と話していた。
<インデックス>
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