7月8日午前、新潟大学の村山敏夫准教授の講義の中で城戸陽二妙高市長がSDGs未来都市「妙高市」の魅力を熱く語りました。また午後にはFM-NIIGATAの【Lecture on SDGs-おしえて!村山先生!!】のゲストとして登場、妙高市の魅力を盛りだくさんに語りました。
新潟大学での城戸市長の講演は、今秋に学生が妙高市でSDGsの実習を計画していることから前もって妙高市がどのような街であるかを知ってもらいたいとの意図で行われたものです。
「新潟出身の人は?」と城戸市長が問うと手を上げる学生は意外に少なく、妙高市はどのようにできたのか、その由来や規模についての話からはじまりました。人口約3万人、市としての規模は小さく人口減少は他の自治体同様に悩ましい課題。しかし山、自然という観光資源に恵まれ国立公園の中に立地していることを生かすことが大切だと話します。国立公園の指定はもともと乱開発を規制することが目的でした。しかし今は法律の範囲内で有効活用していく考え方になっていると言います。
妙高市は令和3年に「SDGs未来都市」に認定され、また「自治体SDGsモデル都市」としてもスタートして推進条例を制定。「安心して住み続けられる街」を目指して実行計画を策定するとともに妙高市独自のアイコンを作成して市全体での機運の盛り上げを図っています。
特に持続可能であるためには次世代人材の育成が欠かせないとして高等学校でのSDGsボードゲーム大会や小学校での出前授業を実施。また高齢者宅まで市役所の窓口が出向く移動窓口やテレワーク研修交流施設「MYOKO BASE CAMP」の整備など住みやすさと魅力を多角的に実現しようと取り組んでいるそうです。
環境対策ではまず刻々と”熱く”なる地球のためにできることとして「電気の地産地消」を掲げ、農業用水による「小水力発電」、雪国対応の「壁面設置型太陽光発電」、火山性の地域特性を生かした「地熱発電」を推進し、妙高独自の「ゼロカーボンチャレンジ事業所登録制度」には約10の事業者が登録していることを説明。
そしてゴミ問題については「減らす」ではなく「出さない」というゼロウェイストな生活の観点で環境意識を市民と共有し、市民とともに「住んで安心な街」の実現を目指しています。
秋の学生実習は妙高市の観光資源である豊かな自然を守る活動を体験するとのことで、関連情報として外来生物・植物の駆除、ライチョウの保護、観光客向けの登山者の入域料の設定や観光地を巡るE-Bikeの整備など今妙高市が進めている取り組みについても説明がありました。
最後に大きなことを一人でやろうとするのではなく小さなことからみんなで協力してやる「1人の100歩ではなく100人の1歩」がSDGsを進める上で大事なことと講演を締め括りました。
学生からの「SDGsを進める上での苦労は?」との質問に対して、城戸市長は「SDGsの担当部署を現場に近い環境生活課にした。市民と直接接することを通じて意識啓発を図っている。SDGsの意識は8割の市民に浸透していると思う。役所だけでは進まないので『官民共創』『市民協働』が必要」と回答しました。
また「E-Bikeで巡れる観光地は(どこがあるか)?」との質問には「日本人の旅行は事前に調べて現地で確認というパターンだが、外国人は現地で何かを発見することを楽しみにしている。ぜひそうした発見をしてほしい。」とあえてお勧めは示しませんでした。
最後に村山准教授が「行政のリーダーがこのようにSDGsをさらりと説明するのは実は難しいこと。他の自治体ではネガティブな意識を持つところもある。妙高市のマインドは進んでいて素晴らしい。秋の実習ではぜひそれを実感してほしい。」と授業を締めました。
午後のFM-NIIGATAでの番組収録では、午前の授業での様子として学生が熱心に聞いていたこと、講演の後にも学生が質問に来たことなどが紹介され「妙高市の魅力が伝わったと思う」と冒頭から盛り上がりました。
雪国ならではの地域の人たちのいたわる、思いやる気質。そして行政と地域の人たちの距離が近く「活用することこそが護ること」などの合意形成ができてきていることなどが紹介されました。
妙高市も人口減は最大の課題であるとしつつも、それを受け入れて街を持続可能にしていくしかなく、行政の基本理念にSDGsを組み込んでいるということです。そして考え方だけでなく構造変革を実践するために、市民が自然と行動していく、その雰囲気づくりのキャッチフレーズが「自然と自然になれる妙高市」なのだそうです。
放送は2024年7月12日金曜日14時33分からFM-NIIGATA【Lecture on SDGs-おしえて!村山先生!!】のコーナーです。聞き逃した方はインターネットやアプリでラジオ放送が聴けるradikoのタイムフリーでも1週間聴取ができます。
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