地球温暖化対策について話し合う「日韓・韓日脱炭素シンポジウム 脱炭素から考える豊かな未来」が6月28日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで開かれました。日本と韓国の研究者や企業の担当者が、再生可能エネルギーの風力発電をテーマに講演やパネルディスカッションを行いました。
シンポは、新潟日報社が駐新潟大韓民国総領事館と共に主催を務めました。脱炭素に関するテーマで毎年開催し、今回で4回目です。
この日は、約100人が参加。講演では、東京大学の荒川忠一名誉教授が、発電設備の割合で示す電源構成について「風力発電で他国は数十%を賄う中、日本は0・9%しかない」と指摘。「日本にとって海は自然エネルギーの宝庫。洋上風力発電は、これからの未来を豊かにする」と話します。韓国の済州大学大学院の金範錫(キム・ボムソク)副教授は、2030年以降に本格的な浮体式洋上風力発電の市場が開かれる見通しと説明。「サプライチェーンをうまく構築していければ韓国と日本が、世界市場と産業を先導できる」と期待します。
洋上風力に関わる日韓企業の担当者が事業内容を報告。村上市・胎内市沖洋上風力事業に取り組む共同事業体メンバーの三井物産の前田益尚・国内プロジェクト開発部次長が、設備概要などの事業を説明。韓国で唯一の洋上風力タービンメーカーの斗山エナビリティジャパンの朴成俊代表取締役は、自社の洋上風力発電機などを紹介しました。
最後にパネルディスカッションが行われ、登壇した4人が出演。「日韓で浮体式洋上風力の技術開発を一緒にやっていきたい」や「脱炭素実現には、国際協調が欠かせない」、「地域の発展につながる事業にしないといけない」などの意見が出ました。
熱心に聞いていた村上市の女性(68)は「風力発電は、再生可能エネルギーという点で期待したい。浮体式の新技術開発が進んでほしい」と話していました。