社員一丸で企業の使命追求 「ESG経営宣言」を制定
大賞 一正蒲鉾(新潟市東区)
一正蒲鉾(新潟市東区、野崎正博社長)は企業の社会的貢献や企業価値を高めるロールモデルとしての視点が評価された。国連がSDGsを採択した翌年の2016年からSDGsの17の目標全てに貢献する取り組みを続けてきた。21年には「ESG(環境・社会・企業統治)経営宣言」を制定した。
同社では主力のカニ風味かまぼこや練り製品の製造のほか、マイタケも生産している。宣言では、「海の命」「山の命」を守り、自然の「恵み」を大切に活用することをうたった。いま享受している豊かさを、次世代へつなぐことは企業の務めだとし、企業価値を向上させられる「マテリアリティ(重要課題)」を特定するため、幹部社員だけでなく、全部署から代表者を集めたワークショップを開催した。トップダウンではなく、全社員の意識付けを高めるために実施した。
五つにまとめた重要課題では、資源の有効活用の面で賞味期限の延長や廃プラスチック排出量の削減を進め、温暖化抑制の面では、生産活動での使用エネギーの削減や再生エネルギーの活用策などを策定した。その結果、CO2排出量やエネルギー消費量を毎年1%削減。食品ロス削減に向けては、賞味期限の延長、廃プラスチック排出量も毎年2%削減を掲げた。
同社の創業者故野崎正平氏の信念は「人生はやまびこである 正しきことは正しく報われる」。その信念を未来にも受け継ぐため、社是、社訓とESG宣言のポケット版を全社員に配布した。社員それぞれが判断に迷った時のよりどころとして活用しているという。
同社は「環境・社会の課題解決に取り組みながら持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上を両立するESG経営を推進したい」としている。
<インデックス>
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- 【アワード2022詳報2】大賞の紹介 「一正蒲鉾」(新潟市東区)
- 【アワード2022詳報3】優秀賞の紹介 「ハーモニック」(三条市)「あてま高原リゾート・ベルナティオ」(十日町市)
- 【アワード2022詳報4】奨励賞の紹介 「Rainbow World Project」(新潟市西区)◇「有希化学」(新潟市江南区)◇「新潟大学村山研究室」(新潟市西区)◇「敬和学園大『サンタプロジェクトしばた2021』」(新発田市)◇「みらいびらきLabo.」(新潟市中央区)◇「新潟信用金庫」(新潟市中央区)
- 【アワード2022詳報5】審査員特別賞の紹介 「あらかわチャレンジ」(村上市)