ザンビア孤児を支援 「ネリカ米」を研究、栽培
大賞・食の新潟国際賞財団特別賞 佐渡総合高校(佐渡市)
県立佐渡総合高校(佐渡市)はアフリカの食料問題解決のために開発されたコメを栽培し、ザンビアの孤児院に贈っている。この取り組みをきっかけに、生徒と現地の子どもたちとの交流も育まれている。
同校では農産・加工系列の生徒が「農業」の授業の中でザンビアのストリートキッズやSDGsについて学習。飢餓で苦しむ人たちのために「自分たちで栽培した農作物を送りたい」との声が上がったことが活動の発端となった。
まず異文化理解のため、ザンビアの主食である「シマ」を製造。試食したが多くの生徒の口に合わず、「逆に自分たちが日常的に食べている食品を送っても喜ばれないのではないか」と現地で栽培され、食べられている農産物を作ることを決めた。
アフリカのために開発された「ネリカ米」に着目し、2020年度から栽培を始めた。多少の鳥害を受けたが、2・5キロを収穫。昨年7月にはザンビアの首都ルサカ在住の日本人女性を通じて、エイズによる孤児を集めた孤児院兼小学校に届けられた。
生徒はコメに自己紹介などをつづった英語の手紙や栽培風景の写真を同封。孤児院では食事会が行われ、生徒たちはその様子を動画で視聴して交流した。ザンビアでは、コメはお祝いごとなどで食べられるといい、子どもたちからは「とてもおいしかった、ありがとう」との感想が寄せられたという。
取り組みの2年目に当たる21年度は発芽率や生育調査などの研究も行い、栽培データや栽培方法などのマニュアルを作成し、コメと共に送付。今後は孤児院も栽培に挑戦する見通しだ。
同高校3年の須田優心(こころ)さん(17)は「以前から世界には飢餓で大変な思いをしている子どもがいると知っていたが、実際に支援ができてうれしい。活動が浸透して全国に広がってほしいし、自分も支援を続けたい」と語った。
※佐渡総合高校は大賞と食の新潟国際賞財団特別賞をダブル受賞した。
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