持続可能な開発目標(SDGs)に基づいた自治体による地方創生の取り組みを学ぶ出前授業が7月、新潟市西区の新潟大学五十嵐キャンパスで行われました。妙高市の城戸陽二市長が講師を務め、「持続可能な社会を実現していくため、SDGsの理念を生かした市政運営を進めています」などと学生たちに市の取り組みを紹介しました。
出前授業は、新潟大学の全学部生を対象にした講義「SDGs入門」の一環。妙高市では全国ほとんどの地域と同じように、地域経済の停滞や人口減少、少子高齢化、地球温暖化といった課題に直面しています。このような現状をふまえ、第3次妙高市総合計画(2020~24年度)では、世界に誇れる妙高戸隠連山国立公園などの環境の保全、安心して暮らせる社会、豊かな暮らしを支える経済の3つの側面のバランスを保つ市政運営を掲げ、さまざまな施策を進めています。
こうした取り組みの中で、城戸市長は「SDGsを原動力として政策を最適化し、地域課題の解決につなげていくことで、地方創生を推進していく必要があると考えました」と説明。2021年5月に国の「SDGs未来都市」に選定されたことを皮切りに、妙高市SDGs未来都市オリジナルロゴマークの制作や、新潟県内初のSDGs推進条例の制定に取り組みました。
さらに、SDGsの各ゴールをふまえ、新しい働き方を体感するテレワーク研修交流施設の整備や、中山間地支援として移動市役所の開設などに取り組むことで、市民の間にSDGsへの理解が浸透してきているそうです。妙高市は、全国市区の「SDGs先進度」総合ランキングでは、人口5万人未満の自治体の中で堂々の4位に選ばれています。
出前授業ではSDGsの取り組みを発信し、実践につなげることを目指している妙高市職員の発表もありました。放課後児童クラブ指導員の佐藤久美子さんは、SDGs普及実行委員会メンバーの一人として、SDGsをテーマにしたワークショップや体験会、講演会などを開催していることを説明しました。そして、何より心掛けていることとして、「SDGsに熱心に取り組むことも大切ですが、身近な実践をしてくれる人を増やしていくことも重要だと考えて活動しています」と話してくれました。
出前授業の最後には、城戸市長から学生に対し、「一度外に出て、いろいろな体験をして成長して、それぞれの道でがんばってください」とエールが送られました。