持続可能な開発目標(SDGs)に沿った新潟県内の取り組みに贈られる昨年度の「新潟SDGsアワード」で、大賞に輝いたカルビー(東京)の粟島産大豆「一人娘」応援プロジェクトを学ぶ出前授業が6月12日、新潟市西区の新潟大学五十嵐キャンパスで開かれました。
出前授業は同大人文社会・教育科学系の村山敏夫准教授が担当している講義「SDGs入門」の一環。同社マーケティング本部 ブランド戦略室 リサーチ&ストラテジーチームで、プロジェクトリーダーを務める藤東亮輔さんらが講師を務め、学生約100人が受講しました。
藤東さんらは持続可能な農業モデルをつくるという同社の方針とも重なるとして2020年、人口減や高齢化で生産者不足が深刻化している粟島の一人娘に着目。昨年11月には収穫体験ツアーを企画し、全国から有志約40人が参加しました。
藤東さんはこれまでの活動を振り返りながら、「収穫体験ツアーの参加者は住民と親睦を深める機会もあり、一人娘だけでなく粟島の応援者にもなってくれています」などと一連の活動が持続可能な地域づくりにもつながっていることを説明しました。
収穫した一人娘は同社の人気スナック菓子「miino(ミーノ)一人娘しお味」として商品化されました。カルビー公式オンラインショップのほか、新潟日報メディアシップ(新潟市中央区)1階の店舗「LINK(リンク)」などでも販売しています。
売り上げの一部はプロジェクトの運営費に充てられており、今年は種まきから草刈り、収穫まで一連の体験ツアーを実施する計画です。
7月には新潟大学の学生も農作業に参加する予定で、今回の出前授業を企画した村山准教授は「プロジェクトはまさにSDGsであり、現在進行形の物語だ。学生もこの物語に関わってもらう機会を作っていきたい」と話しています。