今年の新潟県は選挙イヤーとも言われ、知事選、参院選のほか、4つの首長選、11の市町議選もあります。
戦後初の総選挙(衆議院議員)は、今から76年前の1946年4月10日に行われましたが、この選挙は婦人参政権を行使し、女性が初めて投票に行った日でもありました。
その1946年に当選した466人の中で、初の女性国会議員39人が誕生しました(8.4%)。一方、昨年10月31日の衆議院議員選挙では、465人中女性は45人(9.7%)。76年前より顕著な進展は見られず、未だ諸外国に比べ低い水準にあります。ちなみに参議院では241人中56人でした(23.2%)。
今年3月8日の「国際女性デー」に合わせ、上智大の三浦まり教授らでつくる「地域からジェンダー平等研究会」は、都道府県ごとの男女平等度を表わした「都道府県版ジェンダーギャップ指数」の試算を公表しました。
指数は1に近いほど男女平等であることを示し、逆に男性の比率が多くなるほど0に近くなります。
「政治」「行政」「教育」「経済」の4分野で選出した結果、行政の1位は鳥取(0.395)で新潟は33位(0.213)、教育の1位は広島(0.503)で新潟は38位(0.331)、経済の1位は沖縄(0.384)で新潟は14位(0.360)でした。
政治の1位は東京であるが「0.292」と低く、平等とは程遠いのが現状です。2位は神奈川、3位は新潟(0.220)。政治などでは全国的に男女格差が大きく、上位の県もさらなる取り組みが必要と言えます。
政治では3位と上位の新潟。参考までに、本県の国・県・市町村における、女性議員の比率はこうなります。(4月30日現在)
国会議員…約26.7%(15人中4人)
新潟県議会議員…約11.5%(52人中6人、欠員1)
市町村議会議員…約13.7%(562人中77人、欠員8)
*30市町村の中で、女性議員の比率が最も高いのは聖籠町…約38.5%(13人中5人)
*女性議員が1人もいないのは関川村のみ
中でも特筆すべきは上越市で、2016年の市議選では、32人中女性は1人しかいませんでしたが、その後2017年に「市議を目指しやすい環境整備検討会」を立ち上げ、さらに2019年8月に「女性が議員を目指しやすい環境づくり」をテーマに「上越市議会女性フォーラム」を開催。このような取り組みの成果もあり、2020年の市議選では、7人もの新人の女性議員が誕生しました。
世界では、女性の政治参加を促すために、主に以下の2つの制度が行われています。この2つは立憲民主党のマニフェストにも謳われています。
*クオータ制…女性の割合が一定になるように候補者や議席を割り当てる制度。現在世界約130の国・地域で導入されている。クオータは「割り当て」の意味。
*パリテ法…フランスにおいて、各政党に対して、男女同数50%ずつの候補者擁立を義務付けること。2000年6月に制定、パリテは「同等、同一」の意味。
2018年5月、前出の三浦教授らが制定に関わった、「政治分野における男女平等参画推進法」(候補者男女均等法、通称「日本版パリテ法」)が施行、各政党に国会や地方議会の選挙で、候補者を男女平等にするよう求めました。
また昨年6月、自民党の「女性活躍推進特別委員会」は、女性の政治進出を促し、女性議員を増やすため、2030年までに国政選挙の女性候補の割合を35%とする提言を取りまとめました。
燕市も秋には市議選が控えています。私は元市議として、政治においてジェンダー平等を実現するために、地方から何ができるのか真剣に考えていきたいと思います。
【投稿者】
プロギングにいがた代表 ゲストハウス「米納津の碧い風」オーナー
元燕市議会議員 山崎光男
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