フードロス減らしたい 企業と連携、社会貢献
食の新潟国際賞財団特別賞 新潟商業高校(新潟市中央区)
新潟県立新潟商業高校(新潟市中央区)は食品ロスを防ぐプロジェクト「ぱくロス もったいない‼をなくしたい」を展開。賞味期限が切れたり、間近に迫ったりした商品をイベントなどで安価に販売する取り組みが、校内でも反響を呼んでいる。
食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」は国内で年間約522万トン(2020年度)に上るとされる。
プロジェクトはこうした日本の現状を知った同校の商業クラブが企画。賞味期限切れだが、消費期限は切れていない商品を安く販売する首都圏の活動を参考にしながら、賞味期限が切れた食品を販売して売上金を募金に充てる独自の計画を立てた。
温度管理が不要な菓子類を中心に、企業に提供を依頼。仕入れに苦戦したが、栗山米菓が、賞味期限が迫ったせんべい「ばかうけ」を無償で提供してくれることになった。
校内での募金やクラウドファンディングで資金を調達し、9月に新潟市内で開かれた「沼垂テラス朝市」に出店。「ばかうけ」計146袋を20~30円で販売し、1時間で完売した。11月にも同市の「オレンジリボンたすきリレー」に出店し、約200袋を売り切った。
売り上げは地球環境問題への取り組みに活用してもらおうと、「ふるさと新潟市応援寄付金」に全額寄付する予定だ。
食品ロス削減への意識は他の生徒にも広がっている。校内のアンケートでは、活動が「食品ロス削減につながると思う」とした人が86%に上り、校内で賞味期限切れの商品を安く販売していたら購入したいという人も半数を超えた。
「SDGsの活動は参加しやすい」と感じた人も73%になったという。同クラブの3年生瀬上琴春さん(17)は資金や商品調達の課題を挙げつつも、「今後は学校の購買でも販売したい。もっと周りの人と手を組み、活動を広げたい」と意気込みを語った。
<インデックス>
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- 【アワード2023詳報4】奨励賞の紹介 「アジアクラフトリンク」(新潟市江南区)◇「妙高市SDGs普及啓発実行委員会」(妙高市)◇「栄中央小学校」(三条市)◇「敬和学園大partners」(新発田市)◇「高志中等教育学校SDGs推進委員会」(新潟市中央区)