粟島の大豆生産応援 オリジナル商品を開発
大賞 カルビー(東京)
菓子メーカー「カルビー」(東京)は粟島で、希少な大豆「一人娘」の栽培を支援。全国ブランド化を図るとともに、島の活性化や持続可能な農業モデルの確立により、SDGsの目標の一つである「住み続けられるまちづくり」などを目指している。
「一人娘」は別名「いうなよ」とも呼ばれ、大粒で極めて甘いのが特色だが、流通量が限られている。
粟島では深刻な人口減少と高齢化で農業の担い手が減少。耕作放棄地も増加し、生産の維持が懸念されていた。
こうした中、カルビーと粟島が連携。「一人娘」を栽培する農業体験ツアーを通じて人手の確保に役立てるとともに、島の魅力や離島の課題を知ってもらい、関係人口を増やす取り組みに着手した。
2022年6月、カルビー社員が島民と約40アールの耕作放棄地に種をまき、7月には草取りなどを行った。11月にはツアーを実施。20人の募集に対し、全国から100人を超える応募があった。
ツアーでは一人娘の収穫体験のほか、島民との交流会やみそ造り体験などもあり、参加者からは「プライベートでもまた粟島に来たい」との反応が多く寄せられたという。
22年度には大豆として約250キロが収穫された。4月17日には、スナック菓子「miino(ミーノ)一人娘しお味」30グラム入り1袋を税込1500円で、約7千袋販売した。カルビーのECサイトなどで購入でき、完売すると売り上げの一部が運営資金として寄付される。ECサイトはこちら
23年度1回目の体験ツアーも募集中だ。粟島浦村の脇川善行村長は「取り組みは島内の世代間交流の活性化にも役立っている」と力を込める。
カルビーマーケティング本部ブランド戦略室リサーチ&ストラテジーチームの藤東亮輔さん(40)は「生産者、カルビー、生活者にとって『三方よし』の取り組みとして、連携モデルを構築したい」と展望を語った。
<インデックス>
- 未来を紡ぐ知恵と熱意~新潟SDGsアワード2023
- 【アワード2023詳報1】大賞の紹介 「カルビー」(東京)
- 【アワード2023詳報2】食の新潟国際賞財団特別賞の紹介 「新潟商業高校」
- 【アワード2023詳報3】優秀賞の紹介 「新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学」(新潟市中央区)「バウハウス」(新潟市中央区)「日本基板ネットワーク」(新潟市西蒲区)
- 【アワード2023詳報4】奨励賞の紹介 「アジアクラフトリンク」(新潟市江南区)◇「妙高市SDGs普及啓発実行委員会」(妙高市)◇「栄中央小学校」(三条市)◇「敬和学園大partners」(新発田市)◇「高志中等教育学校SDGs推進委員会」(新潟市中央区)