企業・団体では新型ウイルス感染予防のための衛生管理が日常業務になった。セコム上信越(新潟市中央区)では多くの企業・団体、地域に提供しているセキュリティサービスを中断することがないよう社員の健康管理を徹底している。
社員には出社時の検温など、自主的な体調管理を指示。出張は原則禁止で、公私ともに懇親会も禁止するなど、行動範囲をできるだけ狭めている。
同社が顧客に提供している「セコム安否確認サービス」を社内でも活用して定期的に熱、咳(せき)、味覚・嗅覚障害について社員に質問し、「社員が一度に集まることが難しいシフト勤務でも、遅滞なく社員の健康状態を把握できるようにしている」。それらを繰り返すことで「社員が自ら体調を管理する意識付けになる」という。
同社が提供する安全安心は、顧客である企業にとって事業継続の前提になる。そのため新型ウイルスの感染が拡大しても警備人員や必要な備品が揃わないことがないようバックアップ体制を重視。現在は警備業務から離れていても、その経験がある社員をリストアップしており、すぐ必要人員を確保するという。以前からインフルエンザ対策などでマスクなど大量の備品を分散管理している。
これまで災害があるたびに対策を考え、教訓を積み重ねてきた。阿部賢一常務取締役は「地震や水害のように被害が一部の地域にとどまるものではなく、日本全体に必要な物が届かず、人の往来も自由にできなくなっている。今回の対策は有効だったか検証を重ね、今後に生かしたい」とすでに考えている。
(取材:SDGsにいがた事務局)